R8.5.10
夜中、ようやく子どもを寝かしつけた後。あるいは、パニックで手がつけられない我が子を前にして、一人トイレにこもってスマホを握りしめる。
「3歳 泣き止まない 理由」
「言葉が出ない 多動 癇癪」
「育てにくい 疲れた」
検索窓に並ぶその言葉たちは、あなたが今日一日、どれほど必死に、ボロボロになりながら子どもと向き合ってきたかの証拠でもあります。
今回は、多くの親御さんが検索する「育てにくさ」の正体について、「生まれ持った特性」と「生活環境」という2つの視点から、保健師さんに詳しく伺いました。
1. 検索ワードに隠れた「SOS」のサイン
親御さんが検索する「困りごと」の裏側には、お子さんが発している切実なSOSが隠れていることがあります。
- 「何時間も泣き止まない」:音や光、肌触りに対する「感覚過敏」からくる苦しさ。
- 「急に走り出す・飛び出す」:脳内のブレーキが効きにくい「衝動性」。
- 「同じものしか食べない・着ない」:変化に対応できない不安を必死に守る「強いこだわり」。
こうした行動が、親の努力だけではどうにもならないほど激しく、日常生活がままならない場合、国からのサポートである「特別児童扶養手当(特児)」の対象となる可能性があります。
2. 「発達の特性」か、それとも「生活環境」か?
ここからが、このシリーズで最もお伝えしたい重要なポイントです。
保健師さんは、現場で多くの子どもたちを見る中で、
「発達の特性」と「生活環境(習慣)」は、複雑に絡み合っていると言います。
お子さんの「荒れた行動」は、以下のどちらのパターンに近いでしょうか?
| パターン | 特徴 | 解決へのアプローチ |
| A:特性が主 | 生活リズムを整えていても、パニックや多動が収まらない。 | 【公的支援】 特児や療育、専門家によるサポートをフル活用し、環境を整える。 |
| B:環境が主 | 寝不足、糖分の摂りすぎ、親子の時間不足などが重なっている。 | 【習慣の改善】 食事、睡眠、関わり方を見直すことで、驚くほど落ち着くケースがある。 |
実は、「元々少し特性を持っている子が、生活環境の乱れによって、その特性が5倍にも10倍にも強く出てしまっている」というケースが非常に多いのです。
3. 「親のせい」ではなく「現代の罠」
「生活環境のせい」と聞くと、「私の育て方が悪いの?」と自分を責めてしまうかもしれません。しかし、そうではありません。
- 共働きで忙しく、外食やレトルトが増えるのは当たり前。
- スマホやYouTubeを見せないと、家事が進まないのも現実。
- 仕事で疲れ果てて、夜更かしになってしまうのも仕方のないこと。
これは、現代社会という「罠」の中で、一生懸命生きている結果です。
ただ、その「当たり前」の日常が、実は脳の発達がデリケートなお子さんにとっては、少しだけ刺激が強すぎるのかもしれません。
4. このシリーズでお伝えすること
このブログでは、これから5回にわたって、お子さんの「育てにくさ」を解消するための「2つの鍵」を提示していきます。
- 「公的支援(特児)」という出口: 経済的な余裕を持ち、子どもと向き合う「時間」を作るための権利。
- 「生活習慣」の改善: 脳の興奮を鎮め、お子さんの「困りごと」を根本から和らげるための具体的な方法。
どちらか一方ではなく、両方の車輪を回すことで、出口の見えないトンネルから抜け出すヒントをお伝えします。
次回は、多くの親御さんが衝撃を受ける「食事編」です。
「うちの子はよく食べるし、むしろぽっちゃりしているから栄養は大丈夫」
そう思っている方にこそ読んでほしい、「外食や偏食が、なぜ子どもの脳を暴走させてしまうのか」という衝撃の理由をお伝えします。
【監修:保健師からのメッセージ】
「育てにくい」と感じるのは、あなたがそれだけお子さんのことを深く観察し、理解しようとしているからです。まずは、一人で検索を繰り返す夜から卒業しましょう。今の苦しさは、知識と適切なサポートで必ず変えていくことができます。






コメント