11月の大きな目標だった「宿泊学習」。 トラウマと闘い、相談室登校を続け、お迎えを待ちながら必死に繋いだ糸が、ようやく実を結ぶ日が来ました。
結論から言えば、宿泊学習は本当に、本当に楽しかったそうです。 友達とお泊まりし、同じ時間を共有する。本来の明るいAくんに戻れた、奇跡のような時間でした。親としても「これでまた前を向けるかもしれない」と、一筋の光が見えた気がしました。
しかし、その光のすぐ裏側では、新たな影が彼を狙っていました。
1. 「許す」と決めた、息子の気高い正義感
宿泊学習から帰ってきた息子は、驚くべきことを口にしました。
「僕、Xくん(首を絞めた子)を許すよ」
1年生の頃から「クラスに一人は欲しい」と言われていた、彼の本来の資質がこの言葉に詰まっていました。自分を傷つけた相手を許し、また前を向こうとする。その潔さと心の広さに、親である私のほうが教えられる思いでした。
この「許し」をきっかけに、息子は再び通常の教室へと、自分の足で一歩を踏み出したのです。
2. 二次被害の張本人・Yくんの異様な執着
ようやく平穏が戻るかと思った矢先、新たな問題が浮上します。それが、もう一人の同級生・Yくんによる二次被害でした。
Xくんとの問題が落ち着き始めた頃から、なぜかYくんが息子に対して異様に絡んでくるようになったのです。
- Aくんが友達と話している最中に、わざと割り込んでくる。
- Aくんがその場を離れようとすると、しつこく追いかけてくる。
- まるで何かの罰ゲームのように、Aくんが運動場を何十周も走らされるような状況に追い込まれる。
正義感が強く、曲がったことが嫌いな息子にとって、この粘着質な嫌がらせは、肉体的な暴力とはまた違う、じわじわと心を削る「精神的な暴力」でした。
3. 「指導はした」学校側の冷淡な壁
私は何度も学校側に相談しました。しかし、担任のH先生や教頭のM先生の対応は、相変わらず私たちの不信感を募らせるものでした。
「指導はしましたから。相手も反省しています」 「これはいじめではなく、ただのトラブルですよね?」
学校側は、Yくんの行為を「子ども同士のよくある小競り合い」として片付けようとしました。一度「殺人行為」に等しい事件を見逃しかけた学校にとって、これ以上の問題は「なかったこと」にしたいのが見え見えでした。
さらには、「息子が相手を怒らせるようなことを言ったのではないか?」と、被害者であるはずの息子に原因を求めるような言動さえあったのです。
4. 崩れ落ちた再登校の意志
「許す」と決め、勇気を出して戻った教室。 しかし、そこで待っていたのは、しつこく繰り返されるYくんの嫌がらせと、それを「たいしたことではない」と切り捨てる大人たちの冷たい目でした。
「学校は、やっぱり僕を守ってくれない」
息子の心の中で、何かが音を立てて崩れました。 「宿泊学習に行けた」という成功体験さえも塗りつぶしてしまうほどの絶望感。幾度となく繰り返される不誠実な対応に、息子は再び、学校への道を閉ざしてしまいました。
「9%の力でも頑張る」と言っていた彼の心は、この時、再び深い闇に包まれてしまったのです。
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