R8.5.10
保育園や学校の先生から、
「一度、専門の機関で相談してみては……?」と告げられた日。
その帰り道、景色が灰色に見えるほどのショックを受ける親御さんは少なくありません。
「先生の言っていることは大げさだ」
「家ではちゃんとできているのに」
「診断がついたら、この子の人生が終わってしまう気がする」
そう思うのは、あなたが決してお子さんを否定しているからではありません。
それだけお子さんの可能性を信じ、愛しているからこそ湧き上がる「防衛本能」です。
今回は、そんな「認めたくない」という心の葛藤を抱えながらも、
お子さんのために「特児(特別児童扶養手当)」や支援への一歩をどう踏み出せばいいのか、
その手順を保健師さんのアドバイスとともにお伝えします。
1. 「認めたくない」は、愛情の証
保健師さんは、多くの親御さんの相談を受ける中でこう言います。
「『うちの子は違う』と怒ったり、悲しんだりするのは、
親御さんが一生懸命子育てをしている証拠です。
でも、もしお子さんが『生きづらさ』を感じているとしたら、
一番の味方になれるのも、また親御さんだけなのです」
「診断名」がつくことは、お子さんにレッテルを貼ることではありません。
お子さんの「困りごとの説明書」を手に入れ、
周りから適切な助けをもらいやすくするための切符を手に入れることなのです。
2. どこに相談すればいい?「特児」までの4ステップ
「特児(特別児童扶養手当)」が受給できるかどうか、また、お子さんにどのようなサポートが必要かを知るためには、以下の手順が一般的です。
- ステップ①:地域の保健センター・子育て相談窓口
まずは、お住まいの自治体の保健師さんに相談しましょう。電話一本でも大丈夫です。「園でこう言われた」「家での癇癪がひどい」と、ありのままを話してください。 - ステップ②:児童相談所(こども相談センター)や発達支援センター
専門の相談員や心理士による面談、発達検査(検査といっても、遊びのようなものです)を受けます。ここで「現在のお子さんの発達の状況」が可視化されます。 - ステップ③:専門医(小児神経科・児童精神科)の受診
特児の申請には医師の診断書が必要です。予約が数ヶ月待ちということも多いので、まずは相談窓口で紹介状やおすすめのクリニックを聞いておくことが大切です。 - ステップ④:市区町村の窓口で申請
診断書や必要書類が揃ったら、窓口へ。特児は「日常生活にどれだけ介助が必要か」で審査されます。
3. 待っている間にできる「最大のこと」
病院の予約を待っている数ヶ月、何もしないのは不安ですよね。 実は、この「待機期間」こそが、生活習慣を見直す絶好のチャンスです。
次回の記事から詳しくお伝えしますが、
- 脳を育てる食事(栄養)
- 脳を休める睡眠(生活リズム)
- 心を育てる関わり(愛着)
これらを整えることで、診断が出る頃には「以前よりずっと落ち着いてきた」「パニックが減った」というケースも少なくありません。
4. 診断が「特児」という名の「時間」に変わる
特児は、お子さんの障害を証明するためのものではありません。
「人一倍エネルギーが必要なこの子を育てるために、親が仕事の手を少し休めて、子どもと向き合う時間を作る」ための、国からの補助です。
「うちの子は違う」という気持ちを抱えたままでも大丈夫です。
その気持ちを持ったまま、まずは保健師さんに電話をしてみる。
それが、お子さんの10年後、20年後の笑顔を作ります。
次回は、いよいよ具体的解決策の第一弾、「食事編」です。
「偏食や外食が、なぜ子どもの脳を暴走させてしまうのか?」
ぽっちゃりなのに栄養失調という、現代の落とし穴について解説します。






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