宿泊学習で見せた笑顔も、加害者を許そうとした気高い勇気も、学校側の不誠実な対応と二次被害の張本人・Yくんの執着によって、無残に打ち砕かれてしまいました。
「もう、学校は息子を守れる場所ではない」
そう確信した私たちは、学校以外の場所に救いを求めました。そこで出会ったのが、信頼できる専門医や、親身になってくれる外部の支援者たちでした。
1. 南山病院での受診と、ようやく下された「答え」
11月、私たちは南山病院を訪ねました。 そこで医師から告げられた言葉は、私たちのこれまでの苦しみを肯定してくれるものでした。
「トラウマ関連による回避、あるいは解離の症状が出ています」
確定診断ではないものの、息子が学校を怖がり、体が動かなくなるのは、性格のせいでも甘えでもなく、「命の危険を感じた暴力による後遺症」であるという医学的な見解でした。
医師はこう続けました。 「本人が学校をまだ怖がっているので、学校は決して怖くない場所だということを、彼が納得できる形で教えていく必要があります。そのためには、加害者がなぜあのような行為をしたのかを知り、心からの謝罪を受けることが不可欠です」
医師の言葉に、私は涙が止まりませんでした。「やっぱり息子は深く傷ついていたんだ」という悲しみと同時に、「私たちが感じていた憤りは間違っていなかった」と、ようやく誰かに認められた気がしたのです。
2. 救世主・コーディネーターさんの存在
孤立無援だった私たち親子にとって、唯一の架け橋となってくれたのが、学校教育課のコーディネーターさんでした。
学校側が「いじめではない」「指導は済んだ」と幕引きを急ぐ中で、コーディネーターさんは私たちの話を根気強く聞き、学校以外の学びの場があることを教えてくれました。
それが、「しののめ教室」でした。
3. しののめ教室への見学。「ここなら、笑えるかもしれない」
2月初旬。私たちは藁をも掴む思いで、南部総合福祉センター内にある「しののめ教室」を見学しました。
そこで出会ったY所長や担当の先生方は、息子の事情をすべて、静かに、そして真摯に受け止めてくれました。学校側の「論点をずらした言い訳」ばかり聞いてきた私たちにとって、その「当たり前の誠実さ」がどれほど心に染みたか。
しののめ教室には、以下のような環境がありました。
- 無理に集団に入れられることのない、個々のペースを尊重した空間
- 畑でのジャガイモ収穫や、ヤギや犬といった動物との触れ合い
- 「先生」というより「見守り手」に近い、優しい指導員の方々
息子は、初めて訪れたその場所で、長い間見せることがなかった「興味」の表情を浮かべました。
4. 学校側の「焦り」と「不誠実な電話」
私たちが外部機関と連携し、しののめ教室への入級手続きを進めると、学校側の対応に変化が現れました。しかし、それは反省からくるものではなく、自分たちの不備を正当化しようとする「焦り」に見えました。
担任のH先生から電話があり、息子に話をさせたいと言われました。息子は「嫌だ」と拒絶しましたが、なんとか受話器を握らせると、先生の口から出たのは、 「OくんやKくん(友達)も、Aくん(息子)がどうして来ないのか心配しているよ。委員会も一緒だよね?」 という、事実上の「再登校のプレッシャー」でした。
さらには、いじめの件を追求すると「指導したことは報告の義務がない」「Yくんの親には連絡しない」と、どこまでも組織を守ることに終始する返答。
この電話で、私は決意を固めました。 「この人たちに何を言っても無駄だ。私たちは、私たちの道で息子の心を取り戻す」
2月中旬、息子はいよいよ「しののめ教室」への登校を開始します。そこには、学校では決して得られなかった「癒やし」が待っていました。
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